GW中に読んだ本のこと,等 [コミック]
最近買った本のこと [コミック]
君と僕のアシアト ~タイムトラベル春日研究所~〈1〉 [コミック]
お気づきの方もいらっしゃるかも知れませんが,私,お涙頂戴物語が好きです。感動屋なんですね。
そんな私が,最近気に入った作品がコレ。「君と僕のアシアト ~タイムトラベル春日研究所~」です。よしづきくみち先生の単行本としては3冊目になるのかな?
†††
まんがの作り方〈2〉 [コミック]
前巻を読んで以降,気になっていた続巻を読んでみました。
…何か最近,漫画ばかり読んでいる気が…^^;
さて,本巻もまた前巻に引き続き,全体としてまったりとした雰囲気の中,緩やかに物語は進行しているようないないようなw 不思議な感覚なのですが,誤解を恐れず言うのなら,本作はどうにも作中の時間があまり進行している気がしません。いや,川口さんも森下さんも常に締め切りに追われているなど間違いなく時間は経過しているのですが,何でしょう,不思議と「いつもそこにある風景」的な,言うなればサザエさんやドラえもんのような,恒久的安心感が漂っています。平尾アウリ先生の持ち味なのでしょうね。
森下さんは,「川口さんといずれ離れざるを得ない」ことを不安がっていますが,当分はこのぬるま湯のような関係を続けて欲しいなぁ。
そして。
ここに一石を投じる存在が,本巻で新規登場。その名も「武田さん」!
メガネっ娘です。しかも,ちょっと性格がキツめです。この作品のメインキャラの一人となり得べく,当然のように漫画家を目指しており,川口さんが入選した賞でも最終選考まで残った実力の持ち主です。そして更に,川口さんのピンチにアシとして登場し,川口さんの作品の仕上げ等にダメ出しする強いハートの持ち主! そのトーン張り等を,森下さんが手伝っているとは知らずに…。
武田さんは森下さんの漫画のファンですが,本巻では森下さんと接触しながらも,森下さんが漫画を描いている本人だとは知り得ません。
しかしながら武田さん,川口さんと森下さんの(百合な)関係に気付き始めた模様。そしてそこは「いちゃつきすぎるとバレる」と忠告する程度にスルーして,特に意に介することもなく次回以降も川口さんの手伝いに来てくれるあたり,好印象ですw また,武田さんは東京に住んでおり,川口さんたちの街まで1時間かかる,適度な距離感もナイス。
実際に面会したら最初は気を遣うでしょうが,仲良くなったらとことん仲良くなれる,そんなイメージのコです。今後,川口さんと森下さんの間にどのように絡んでくるのか,とても関心がありますw
その他,今回は2話に渡って川口さんと森下さんの出会いが描かれ,森下さんが川口さんに惹かれていく過程が綴られています。そのきっかけもまた漫画であるあたり,当作品らしいなぁ
それにしても,この作品。百合とかそんなことを切り離しても,十分面白いと思います。今後もとにかく,この雰囲気を大事にしていただきたいと願ってやみません。
聖剣の刀鍛冶〈2〉 [コミック]
アニメが絶賛放映中…にも拘わらず,溜め取りしていて観ていない作品「聖剣の刀鍛冶」w
単行本の第2巻が発売され,これを読破したのでレビューします。
今回は,ルークに服をプレゼントされたリサが可愛かったことと,そして何と言っても「魔剣アリア」がセシリーの許に落ち着く過程が見どころでしょう。
「魔剣アリア」。
いいですねぇ,彼女。容姿も性格も,とても好みです^^*
セシリーと,友人の誓いを交わす風の魔剣。その正体は,リサと同じく悪魔に属するものであることが今回明らかにされました。しかしながら,彼女は風を生む一振りの剣に過ぎず,その使い手によって人を生かしも殺しもしてしまいます。
彼女はその血塗られた宿命を受け入れ,戦争の道具としての自分の存在を諦めてさえいますが,セシリーに出会いその心に触れて,「セシリーに使って貰えたら,あたしの風もきっと…」と,「人を守る剣」としての自分を考えられるようになります。
そんな折,競売会場での出来事。アリアは悪魔契約者の手に落ち,否応なしにその力を虐殺のために使用されてしまいます。魔の手に拠って解放された,その秘められた力の一端は凄まじく,炎の悪魔の一振りによって生み出された炎風はたちどころに一騎士団を灼き刻みました。
今作のクライマックスは,ルークの手を借りながら,そんなアリアを取り戻すセシリーの雄姿。
「私は,この目に映るすべてを救う!」
セシリーの想いはアリアを助け,そしてセシリーに振るわれたアリアの白銀の風は,自分達を襲った悪魔契約者の魂さえも救います。
この事件がきっかけで,アリアの所有権はセシリー達騎士団に属することとなり,その護衛兼暫定的所有者としてセシリーが抜擢されます。こうしてアリアは改めて,セシリーと戦友の誓いを交わすことになります。
感動のあまり,涙するアリア…可愛いなぁ^^*
山田孝太郎先生の作画はとても丁寧かつ綺麗で,知らず知らずに物語に引き込まれます。次巻以降も楽しみです!!
単行本の第2巻が発売され,これを読破したのでレビューします。
今回は,ルークに服をプレゼントされたリサが可愛かったことと,そして何と言っても「魔剣アリア」がセシリーの許に落ち着く過程が見どころでしょう。
「魔剣アリア」。
いいですねぇ,彼女。容姿も性格も,とても好みです^^*
セシリーと,友人の誓いを交わす風の魔剣。その正体は,リサと同じく悪魔に属するものであることが今回明らかにされました。しかしながら,彼女は風を生む一振りの剣に過ぎず,その使い手によって人を生かしも殺しもしてしまいます。
彼女はその血塗られた宿命を受け入れ,戦争の道具としての自分の存在を諦めてさえいますが,セシリーに出会いその心に触れて,「セシリーに使って貰えたら,あたしの風もきっと…」と,「人を守る剣」としての自分を考えられるようになります。
そんな折,競売会場での出来事。アリアは悪魔契約者の手に落ち,否応なしにその力を虐殺のために使用されてしまいます。魔の手に拠って解放された,その秘められた力の一端は凄まじく,炎の悪魔の一振りによって生み出された炎風はたちどころに一騎士団を灼き刻みました。
今作のクライマックスは,ルークの手を借りながら,そんなアリアを取り戻すセシリーの雄姿。
「私は,この目に映るすべてを救う!」
セシリーの想いはアリアを助け,そしてセシリーに振るわれたアリアの白銀の風は,自分達を襲った悪魔契約者の魂さえも救います。
この事件がきっかけで,アリアの所有権はセシリー達騎士団に属することとなり,その護衛兼暫定的所有者としてセシリーが抜擢されます。こうしてアリアは改めて,セシリーと戦友の誓いを交わすことになります。
感動のあまり,涙するアリア…可愛いなぁ^^*
山田孝太郎先生の作画はとても丁寧かつ綺麗で,知らず知らずに物語に引き込まれます。次巻以降も楽しみです!!
フレッシュプリキュア! おはなしブック まるごとキュアパッション! [コミック]
今週は,何気に本に関する話題が多いですねw 連休中にどこに入り浸っていたか,よく解ろうというものです。
さて今日は,地元の古本屋で見付けた「フレッシュプリキュア! おはなしブック まるごとキュアパッション!」及びその他2冊のレポでも。
「なかよし」という雑誌を,ご存じない方は少ないのではないかと思います。私も買ったことはありませんが,書店に行けば必ず店頭に並んでいる,「ちゃお」や「りぼん」と並ぶ女の子向け雑誌の一角です。
本誌には「上北ふたご」先生が描かれているプリキュア関連の漫画が掲載されており,この「おはなしブック まるごとキュアパッション!」には,「フレッシュプリキュア!」の漫画第1話から第6話までが収録されています。
その内容はというと,当然にテレビアニメよりも進行が速く,1話でラブ,2話で美希,3話でブッキーがプリキュアに変身できるようになり,4話でイース(せつな)がラブの友情攻撃に絆され始め,5話でナキサケーベの使用により傷ついたイースがピーチに救われる。そして6話において,イースとして最後のピーチとのぶつかり合い,イースとしての寿命の終焉…新たな力との出会いです。
パッションに覚醒する寸前で第6話は終わっており,なんともやきもきさせられます。…これ,ちゃんと続きが発売されるんだろうなぁ…。
今更手に入れた私が言うのも何ですが,本誌はせつな(イース・パッション)ファンなら持っておいて損はないでしょう。絵も丁寧で綺麗ですし,読み応えは十分かと思います^^
それと一緒に手に入れた,「フレッシュプリキュア!&プリキュアオールスターズ まるごとブック!」及び「同 EXTRA」には,同じく上北ふたご先生が描く「Yes! プリキュア5 GoGo!」の漫画が掲載されています。
前作以前はあまり気を入れて観ていなかったのですが,改めてこれまでのシリーズを振り返るよい機会となりました。全体としてお子様向けの構成なのでアレですが,表紙等の紙質が固くて読みづらかったことを除けば,全体としての出来はまずまずではないでしょうか。
さて今日は,地元の古本屋で見付けた「フレッシュプリキュア! おはなしブック まるごとキュアパッション!」及びその他2冊のレポでも。
「なかよし」という雑誌を,ご存じない方は少ないのではないかと思います。私も買ったことはありませんが,書店に行けば必ず店頭に並んでいる,「ちゃお」や「りぼん」と並ぶ女の子向け雑誌の一角です。
本誌には「上北ふたご」先生が描かれているプリキュア関連の漫画が掲載されており,この「おはなしブック まるごとキュアパッション!」には,「フレッシュプリキュア!」の漫画第1話から第6話までが収録されています。
その内容はというと,当然にテレビアニメよりも進行が速く,1話でラブ,2話で美希,3話でブッキーがプリキュアに変身できるようになり,4話でイース(せつな)がラブの友情攻撃に絆され始め,5話でナキサケーベの使用により傷ついたイースがピーチに救われる。そして6話において,イースとして最後のピーチとのぶつかり合い,イースとしての寿命の終焉…新たな力との出会いです。
パッションに覚醒する寸前で第6話は終わっており,なんともやきもきさせられます。…これ,ちゃんと続きが発売されるんだろうなぁ…。
今更手に入れた私が言うのも何ですが,本誌はせつな(イース・パッション)ファンなら持っておいて損はないでしょう。絵も丁寧で綺麗ですし,読み応えは十分かと思います^^
それと一緒に手に入れた,「フレッシュプリキュア!&プリキュアオールスターズ まるごとブック!」及び「同 EXTRA」には,同じく上北ふたご先生が描く「Yes! プリキュア5 GoGo!」の漫画が掲載されています。
前作以前はあまり気を入れて観ていなかったのですが,改めてこれまでのシリーズを振り返るよい機会となりました。全体としてお子様向けの構成なのでアレですが,表紙等の紙質が固くて読みづらかったことを除けば,全体としての出来はまずまずではないでしょうか。
フレッシュプリキュア! おはなしブック まるごとキュアパッション! (講談社MOOK)
- 作者: なかよし編集部
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2009/08/06
- メディア: ムック
タグ:フレッシュプリキュア 東せつな
まんがの作り方〈1〉 [コミック]
久々の漫画ネタ。
私は漫画の単行本を買うとき,書店で表紙に惹かれて買ってみる,という買い方が比較的多いです。もともと好みにうるさい方ではないということもあるでしょうが,意外と外すことは少ないですね。
今回もまた,こうして買ってみた当作品。「漫画家と漫画家で百合」という帯の文字に惹かれたことに否定はしませんけれど,表紙の可愛さに押されて買ってみたものです。
帯にあるとおり,二人のヒロインはどちらも漫画家です。
主役の川口さん(女性)は,若干13歳の幼さで鳴り物入りで漫画家デビューを果たしたものの,以降は振るわずに本屋のバイトなどでくすぶっておりました。19歳の時,再デビューを決意。
冒頭,漫画のネタに困った川口さんは,流行りのガールズラブをネタにするため,自分を慕ってくれていた後輩の森下さん(女性)に「付き合っちゃうか」と持ちかけます。森下さんは二つ返事でOK。
その森下さんは現役の漫画家で,しかも結構売れているだけあり,作品作りに常に悩んでいる川口さんとは対照的。料理や買い物も上手な性格美人で,大変に可愛らしいです^^*
森下さんがどうして川口さんを好きなのかは今のところ明確ではありませんが,川口さんのデビュー作がきっかけで漫画を書き始めたらしいシーンがあり,この辺りの影響でしょうか。森下さんは,漫画の描き方に対して既に悟りを開いているというか,自分なりの考えをしっかり持っている節があり,いろんな意味で「デキた子」です。
まだ一巻しか読んでいませんが,現段階ではさほど百合っぽくはありません。漫画ネタのために付き合いだしたはずの川口さんも,森下さんの一途さに絆されてか,それぞれを思い遣るいい展開で進行中。現在のところ,互いの足りない部分を精神的に補い合っているような関係が続いていますが,そんな日常の描写も決して退屈なものではなく,絵の可愛さも相まって不思議な空気を醸し出しています。なんというか,「雰囲気がいい作品」という印象です。
後書きに,「投稿作を吾妻ひでお先生及び安彦良和先生が選考して下さった」ようなことが書かれていたのでちょっと調べてみたところ,本作品は「第2回龍神賞」で銀龍賞を受賞した作品なのですね。なるほどな~。
2巻並んで置かれていたにも拘わらず,ハズレを恐れて1巻しか買ってこなかったことをちょっと後悔している,好作品です^^
私は漫画の単行本を買うとき,書店で表紙に惹かれて買ってみる,という買い方が比較的多いです。もともと好みにうるさい方ではないということもあるでしょうが,意外と外すことは少ないですね。
今回もまた,こうして買ってみた当作品。「漫画家と漫画家で百合」という帯の文字に惹かれたことに否定はしませんけれど,表紙の可愛さに押されて買ってみたものです。
帯にあるとおり,二人のヒロインはどちらも漫画家です。
主役の川口さん(女性)は,若干13歳の幼さで鳴り物入りで漫画家デビューを果たしたものの,以降は振るわずに本屋のバイトなどでくすぶっておりました。19歳の時,再デビューを決意。
冒頭,漫画のネタに困った川口さんは,流行りのガールズラブをネタにするため,自分を慕ってくれていた後輩の森下さん(女性)に「付き合っちゃうか」と持ちかけます。森下さんは二つ返事でOK。
その森下さんは現役の漫画家で,しかも結構売れているだけあり,作品作りに常に悩んでいる川口さんとは対照的。料理や買い物も上手な性格美人で,大変に可愛らしいです^^*
森下さんがどうして川口さんを好きなのかは今のところ明確ではありませんが,川口さんのデビュー作がきっかけで漫画を書き始めたらしいシーンがあり,この辺りの影響でしょうか。森下さんは,漫画の描き方に対して既に悟りを開いているというか,自分なりの考えをしっかり持っている節があり,いろんな意味で「デキた子」です。
まだ一巻しか読んでいませんが,現段階ではさほど百合っぽくはありません。漫画ネタのために付き合いだしたはずの川口さんも,森下さんの一途さに絆されてか,それぞれを思い遣るいい展開で進行中。現在のところ,互いの足りない部分を精神的に補い合っているような関係が続いていますが,そんな日常の描写も決して退屈なものではなく,絵の可愛さも相まって不思議な空気を醸し出しています。なんというか,「雰囲気がいい作品」という印象です。
後書きに,「投稿作を吾妻ひでお先生及び安彦良和先生が選考して下さった」ようなことが書かれていたのでちょっと調べてみたところ,本作品は「第2回龍神賞」で銀龍賞を受賞した作品なのですね。なるほどな~。
2巻並んで置かれていたにも拘わらず,ハズレを恐れて1巻しか買ってこなかったことをちょっと後悔している,好作品です^^
聖剣の刀鍛冶 [コミック]
「原作買おっかな~」と思っているうちにコミックが発売され,アニメ化までされた本作。アニメの視聴を開始するとともに,取り急ぎコミックを読みましたので,関連で。
時は,「代理契約戦争」終結から44年。
人の血肉を捧げることで悪魔と契約し,その悪魔を以て行われた大戦以降,「悪魔契約」は禁忌の力とされ,大陸は安定しつつあるかに見えた。そういう時代の,ある意味王道とも言えるファンタジー作品です。
コミック第1巻は,ヒロイン「セシリー・キャンベル」が刀鍛冶「ルーク・エインズワース」と出会い,ルークの打つ「刀」を持つに相応しいかを見定めてて貰うべく遠征した盗賊討伐において「悪魔」と出くわしこれを打ち破る,その辺りまで。アニメ編でいうと,第2話の中程辺りまでが収録されています。
アニメと比べて思うのは,全体的に描写の設定年齢が高めです。遠征軍は次々とワーウルフに潰され肉塊と化していくし,セシリーは普通に返り血を浴びて全身真っ赤だし。ただ,絵が非常に上手く構図や見せ方にも優れ,作品としてのレベルはとても高いと思います。
特に,氷の悪魔と対峙するにあたりルークが刀を精錬するくだりは本巻のクライマックスに当たりますが,このあたりのセシリーの「盾」とルークの「刀」の描かれ方がとてもよくて,色んな意味で「王道」と言える作品です。
アニメも絵が可愛くていいですが,全体的に漫画の見せ方の方が,私は好みでした。
本巻ラストで,「魔剣アリア」顔見せ。2巻以降の活躍に期待したいところです。
タグ:聖剣の刀鍛冶
ローゼンメイデン [コミック]
先日,本屋で見かけて表紙買いし,続編だということを知って取り憑かれたように前作も買い求めた本作,「ローゼンメイデン」。ようやく読み終わったので,今回はこれのレビューでも。
「まきますか まきませんか」
引きこもりの中学生「桜田ジュン」,彼の許に届いた一通のダイレクトメール。これに書かれていたこの問いに彼が気まぐれに答えるところから,物語は動き出します。
「まいた世界」のジュンに届けられた,革製の大きな鞄。中には赤いドレスに身を包んだ,とても美しいアンティークドール。これがローゼンメイデンの第5ドールにして本編のヒロイン格,「真紅」です。可憐な容姿と気高い魂。何事にも動じないその性格と,状況を的確に読み取る判断力とで,「私は私なりのやり方でアリスゲームを制する」とし,自分の許に集った姉妹達のリーダー的存在となります。
ところで,彼女たち「ローゼンメイデン」は,至高の少女「アリス」となって製作者である「お父様」に逢うため,ドールの魂とも言うべき「ローザミスティカ」を奪い合う「アリスゲーム」という名の闘いの中に身を置いています。これに勝ち,「ローザミスティカ」をすべて集めると,「アリス」になれる,と言う。
この「アリスゲーム」をはじめ,物語中で真紅のライバルとして描かれているのが,第1ドール「水銀燈」。その知名度の高さは,これを読む以前の私でも知っていたほどであり,これを読むまで彼女が主役の話だとばかり思っていました。しかしなるほど,人気が高いのも頷けます。真紅が正統派の女王様的カリスマ気質だとすれば,こちらは悪の華の魅力全開の孤高の一輪。それでいて,第一期の全般に渡って描かれる,契約者「めぐ」と心を通わせるに至る過程は,不思議な清潔感に包まれたとても清廉なものでした。
第一期の中盤頃から真紅の前に姿を見せ,クライマックスから第二期に至るくだりで「まいた世界」のジュンを助けるなど,縁の下の活躍をしているらしいのが第2ドール「金糸雀」。口癖「~かしら」が可愛らしいドジっ娘です。
しかしながらその能力は未知数で,雛苺のローザミスティカを巡ってはバイオリンの音符を駆使した技で真紅を翻弄する実力の持ち主。第二期では未だ姿を見せていませんが,雪華綺晶の罠から逃れている唯一のドールとして,キーパーソンとなる活躍を期待します。
真紅サイドのドールとして,序盤からずっと好位置につけているのが第3ドール「翠星石」。鞄に乗っていきなりジュンの部屋に降ってくるという,とてつもなくインパクトのある登場をした彼女ですが,印象的なオッドアイに加え「おどおどした振る舞いが可愛らしいなぁ」と思っていたら,いきなり毒を吐き始め,回を重ねる毎に地が出てきたようで毒舌連発w
真紅相手に「嘘つきやがれです」とか,こういうキャラに成長するとは思っていなかっただけに,まぁびっくりしました。そういう明け透けなところが好まれるのか,とある人気投票では1位に輝いたとか。
翠星石の双子の妹にして庭師姉妹の片割れが,第4ドール「蒼星石」。少年と見紛う容姿と,大変に真摯な性格の持ち主です。マスターの望みと自らの望みを重ね,それを叶えるために翠星石と対峙する。双子であるが故の愛憎を自らの「庭師の鋏」で断ち斬らんとするその様はとても潔く,全ドール中最も気に入っていたのに,あぁ…。
是非とも彼女のローザミスティカを取り戻すべく,頑張るです翠星石!
真紅の最初の仲間(?)が,第6ドール「雛苺」。
第一期通してのマスコットキャラ的位置づけだったのに,終盤では雪華綺晶に身体を奪われ,第二期においては雪華綺晶のボディとされてしまう哀しいさだめを負ったドールです。
一方,自らの意志でローザミスティカを真紅に託し,金糸雀を真紅に傾倒させるのに一役買うなど,重要な役割を担っています。第二期でも,真紅が「まかなかった世界」でレプリカの身体で活動している間,真紅の真の身体を保護しているなど,真紅にとって無くてはならないパートナーとなっています。
以上の6体のドールが目下対峙している最大の敵が,第7ドール「雪華綺晶」。他のドールとは違う概念で作成された,実体を持たない「アストラルのドール」という設定です。
実体を与えられなかったことが,逆に彼女をして実体を渇望させ,第二期の第二巻では狂おしいほどに哀しい存在へと昇華しています。容姿も言動も持てる能力も,存在すべてが狂気に彩られた哀れな彼女ですが,不思議と憎みきれない哀しきボスキャラです。「ぼくの地球を守って」の小林輪に通じるものがありますね。
そうそう,「週刊ヤングジャンプ」で連載中の第二期は,第一期の続編にして「まかなかった世界」のジュンが主人公です。「分岐してしまったパラレルワールド」との位置付けなのでしょうが,面白いですねぇこういう設定。これを際限なく膨らませていくと,「時代を超えて存在している「お父様」ことローゼンの正体は,実は桜田ジュンなのでは?」という仮定が生まれますが,それは追々語られていくことでしょう。
第二期第二巻は,真紅・水銀燈の共闘ペアと雪華綺晶の戦闘中に,またしても鞄に乗って翠星石が落下してくるところで終了しています。埃にまみれて「翠星石,ここに見参!」と意気込む姿は,「姉妹達の中でも特に臆病で人見知り」と紹介されていたドールと同一人物とはちょっと思えませんが,次第に役者が揃ってきて楽しみな限りです。
タグ:ローゼンメイデン